9月第2日曜日 大掃除

文字数 615文字

実家の母に呼び出しを受けた。

次の週末に兄夫婦が帰省してくるので、大掃除を手伝ってほしいとのこと。
私もそこそこの距離からの帰省なのに、なぜなのか。

最近は使い捨ての掃除道具がたくさんあって掃除がしやすい。ふわふわのやつ、乾いたやつ、湿ったやつ、ざらざらのやつ。

最初にふわふわしたやつと乾いたやつで天井に近いところから順番に埃を落としていく。

エアコンの上や洗面台の上、冷蔵庫の上など、とにかく家具の上からどっさりと埃が落ちてくる。

家中のホコリを落とし終えると、積埃が10センチほどあった。足首は埃に埋もれて見えなくなっていた。

窓やドアを全開にして埃を外に追い払う。
埃は断末魔の悲鳴をあげながら、日光にさらされて消えていった。

埃のすっかりいなくなった室内で、乾いたやつと湿ったやつを使い家具やら壁やらを拭きあげていく。家中ぴかぴかに光っていた。

次はフローリングのワックスがけ。
両親も自分も疲れ果てて機嫌が激悪になっていた。
ぎすぎすしながら、カーテンを外し洗濯をする。
換気扇のことは諦めた。

夕飯を作る気力はなかったので、デリバリーを頼む。
へとへとで機嫌を悪くしながら家族で食べるハンバーガーとポテトはなかなか悪くなかった。

夕食後は一人暮らしの方の家に帰宅した。
いつもよりがらんとしているように感じた。

ぴかぴかの家に呼ばれる兄夫婦と、ぴかぴかの手伝いをさせられる自分。どちらが特別扱いだろう。

そんなことを思いながら、筋肉痛の身体を抱えて就寝。




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