『人間の記憶を持ったまま、ネコに変身した人が動物と人間の両方の世界を苦悩と共に生き抜くストーリー』

地球が人口増加により慢性的な食糧危機に陥った近未来。

人口を減らす為に60歳で安楽死を選ばなければならない世界法が制定されてしまう。
その一方で動物に変身する事で60歳以降もペットとして家族と暮らせる方法が開発された。

それは人間の脳を動物に移植するもので「変身術」と呼ばれ、本物の動物と区別がつかない為、警察に捕まる事の無い唯一の方法だった。


60歳になる隆は妻の美沙に望まれてネコに変身することを決め、人の記憶を持つネコと人間の生活が始まった。
隆は鳴き声翻訳機で言葉を話し、脳に埋め込まれたマイコンで言葉を理解出来たがやがて人間とネコの世界の両方で起こる様々な出来事へ巻き込まれていく。

人の感情を持つ隆はやがて精神がネコになり切れないことに苦しみ始め、違法に生きる事に対して様々な心の葛藤を抱えるようになる。
そんな苦悩と共に日々を生きながらも隆は妻の周りで起こる問題の解決に乗り出し、その中で出会う不思議な変身ネコと友情を深めていく。

その後、違法な変身動物に対する取締りが厳しさを増していく中、隆は変身ネコを守る為に動物と人間の両方の世界を生き、「変身」に絡む様々な出来事に遭遇する…。



変身動物との複雑な人生の中で生まれる人間同士、人と変身ネコ、変身ネコ同士という様々な形の友情と愛情を描いた物語。