超短編コンテスト『ラストレター』結果発表!

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超短編コンテスト #1
ラストレター
結 果 発 表

 

 

 

■受賞作品


『この手紙を亜樹が読んでいるということは私はもう死んでいると思う』
(妹 様)
キャッチーなタイトル、今風の話し言葉、どんどん進む展開、とても楽しく読みました。そしてラストが鮮やか。心情も、よくこれだけの分量で描いていただけたなぁと感嘆しました。著者の意図も過不足なく読み手に伝わり、結末も冒頭に内在していてターゲットも明確。今後がとても楽しみです。

 

『今時、そんな事するか?』
(さく 様)
軽めのタイトルとは裏腹に、手に汗握って読みました。主人公が体感している息苦しさを、読みながら感じます。海、地下、外、と緩急のつけ方も巧い。多数のカタカナに恐怖心を煽られ、最後は見事な爽快感。密度があり、展開は早く、文体もフラット。題材「ラストレター」と書きたいもののマッチングも見事でした。

 

全体講評

大豊作! みなさんの豊富なアイディアに振り回され続けた選考でした。驚いたのは良作の多さ。これはまったくだめ、というものはほぼありませんでした。AIものや主人公が高年齢者の作品が多かったのが印象的です。
全体的に魅力的なタイトルと書き出しが多く、この手があったか、と唸らされることもしばしば。同時にいいタイトルを超える驚きや感動を用意するのがいかに難しいか、改めて痛感しました。
どの作品を受賞作にすべきか本当に迷いました。紙一重の差で決定いたしましたが、違う人間が選考していたら、きっと結果も変わったことだと思います。ハイレベルな接戦でした。
唐突にはじまった本企画に応募してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
この企画は第二回、そして第三回へと続いてきます。これからも、原稿どしどしご応募ください。お待ちしています!

 

また読みたい!


『親愛なる田島勇先生へ』
小さな関係性が丁寧に描写されている。そこから立ち上がる世界観はとてもあたたかいものでした。「僕」も「坂崎さん」も「レトロ」もいいですね。ダイレクトメールをひたすらに読むラストも魅力的です。とてもバランスよく書いていただいたので読み手を大きく裏切るポイントがあってもいいのではないか、と思ってしまいました。しかし良作です!

 

『code:L』
ううむ。4バイトのいいラスト。オリジナリティもあり、この著者にしか書けない小説だと感じました。素晴らしい。惜しむらくは中盤。もちろんこのままでも魅力的なのですが、この小説でしか登場し得ない表現、感情描写、行動原理が読めれば立ち上がって拍手をしたと思います!

 

『タイムカプセル〜最後の一行で人生をくつがえす〜』
読んでいて気持ちよかった! タイトルのとおり、最後の一行で驚けたらもっとよかったですね。ラスト1行を削除して、「えっ?」以降の説明を、真相が読み手にバレないかたちで最後のセリフの1行前にもってこれていたら、さらにきれいだったかもしれません。会話文の連続もストレスなくよめて、この短いストーリーで複数の人物を描き分ける筆力は素晴らしいです。

 

『匿名希望』
すごい。チャレンジして見事に着地まで成功していると思います。欲を言えば、遺書、もうちょっとやってほしかった! 読者が薄々感づいていた方向できれいに落ち着いた気がします。彼女が伝えたかったことも、やや唐突な印象。さらにアクセルを踏んだらどんな作品になっていたのだろう、と想像してやみません。

 

『願わくば青封筒、5割引きの日を』
上手なかたですね。後半、手紙のからくりがわかってから、その説明がずっと続くのですが、その分を圧縮して田中さんとのやりとりをもう一度読みたかったです! そこでサプライズを用意するか、いいセリフでさらに引き込むのか、「私」がある手紙をきっかけにこれまでと別の決意を見せるのか…。さらにいい小説にできる予感がいたします。

 

『最愛のあなたへ』
小説を書くセンスがすごい。作品の内容と淡々とした文体が合っていて、読者を飽きさせずに最後までもっていく力もさすが。夫や相手の女性について想起させる部分があればもっと深みが出たかもしれません!

 

『バッテリーバックアップ』
これまでプレイしてきたすべてのRPGを思い出しそうになる怪作。ものすごくいい設定なだけに、そうきたか! と作中でもう一回思いたかった。後半にゲームならではの視点がまた入れば新たな読後感が生まれた気がします。

 

『檀の森にふる雨に』
文章が森に降る雨のように静かで、あたたかく、ときにチャーミング。たいへん魅力的でした。手紙、ラストレターという設定が足枷になってしまったかもしれず申し訳ないです。他の作品も楽しみに読ませていただきます。

 

『ファラとニアと最期の手紙』
中編を読み終わったような読後感に驚き! 手紙をうまくつかっていただきました。人物の描き分けやセリフが洋画的ですが、そこに必然性がでればさらに納得感を得られたかもしれません。

 

『いつかマヨネーズを出したなら』
二度読んでしまいました。こういう曲があったら聴きたいです。リズムよく進む物語は、もっとも気持ちのいいかたちで幕をおろします。読み終わった後に、手から少しマヨネーズの匂いがしました。設定に比して、文章がとてもきれいで、そのおかげで均整のとれた小説になっていると感じます。読みやすく温かみがある文体はとても強い武器ですね。

 

『胸ポケットの手紙』
この題材で、よくここまでエンターテインメントに仕上げられたと感服しました。絶妙なバランス感覚! 文章がもう少しだけ絞れれば、もっと明るく胸に刺さる掌編になったのではと感じました。原因が具体的なので、一般的な症例とやや異なるところがひっかかります。すこしぼかしたほうがリアリティも増すかもしれません。

 

ひとことメッセージ

『花嫁の手紙』
結婚前の名前で読む"最後の手紙”という解釈に膝を打ちました。

『じいちゃんの遺書』
おじいちゃんのセリフが癖になりふぉうです。

『畏友』
騙し絵のような構成がいいですね。

『もしもし、天国の母さんだけど。』
タイトルとラストが!

『We are never ever getting back together.』
密度! 8000字必要な傑作を5000字に収めていただいた?

『姉が仕組んだ代筆ストーリー』
アイディアとてもいいですね!

『生粋の恋より』
ラストの切れ味が!

『警告:これはごく普通の手紙である』
秘められた爆発力。


 

素晴らしい作品の数々ありがとうございました!


新しいコンテストでの再会を心よりお待ちしています!

 

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