みやこおちロジバン 導入
文字数 4,511文字
ショイショイ(あいさつ×2)。今宵はここでひたすら個人的な趣味の話をします。具体的には人工言語ロジバン(lojban)ですね。どうぞよしなに。
一時期はね、ロジバン専用のチャットサーバーに入り浸るほどには熱中してたはずなんだけど、ここ半年位…いや二、三年かな?いつごろからかもわからなくなるほど長らく足が遠のいてゐてさ、それでゐて「ああ、おれ、ずつとロジバン民なんだなあ」て自己認識はあるんですよ。
ええ~…うーん、調子狂ふなあ。おれ「ロジバンは述語論理を基盤とした文法を持ち合理的で中立的な意思疏通を目指してデザインされた言語の一つで~」みたいなことを一々言はずに済ませたくて、君を分身として切り離して呼び出したんだけどねえ。
ぼく分化したばかりなのであんまり期待しないでくださいよ。とりま論理つぽい感じにデザインされて作られた言葉なんだな、といふことだけはわかりました。それでコミュニケーションも論理的になるのなら良いことですね、いまいち想像つきませんけど。
さあ、それはどうかな。名前は確かに「ロジバン(「論理言語」)」ですけどね。おれは「世界中に散在するジボ族が現代のインターネットを通じて互ひに交信するための言語で、ジボ語とも呼ばれます」みたいな紹介でも別にええかな、とすら思つてますよ。
もし真面目に概要を知りたいなら、ロジバン公式サイトの「よくある質問」のページとか、初めてさん向けの講座サイトとしてよく読まれてる「はじめてのロジバン」あたりから手をつけてみると良いかと思ひます。
(ググつて最初の方に出てくるかもしれない日本語版ウィキペディアのは、記述の濃密さゆゑか、わかりやすさの点では正直なところ不評なんですけど、好きな人は好きだと思ふので、一応リンクしておきます。)
2018-05-27 13:17:31 PDT/-0700 ... [Mungojelly]: .i ku'i za'a lo mitcinse cu na jundi la jbobratca .i za'a lo trangeni cu na jundi la jbobratca .i za'a lo ba'e ninmu cu na jundi la jbobratca .i lo ponjo poi jboklu midju darno rei cu na jundi la jbobratca .i lo bangenugu se bangu nanmu po'o cu jundi coi nanmu
イェサイ(つよいどういのきもち)。やつぱり現物があると君も想像しやすいよね。ちなみに発言者はロジバン名だと知る人ぞ知るselckiku氏です。前後の文脈が知りたい場合は引用元として2018年5月27日付のチャットログを挙げておきますね。
枝葉を除いて雑に訳すと、「でも見たところ、同性愛者も、トランスジェンダーも、女性も、ジボ人文化の中心から遠い日本人も、ジボブラチャに意識を向けない。英語話者の男性だけが意識を向ける。こんにちは、男性。」て感じやね。ジボブラチャ(ジボ大都市)は、前後の文脈から鑑みればロジバン話者の集まるチャットスペースにその場でつけたニックネームです。
この発言の少し前に、発言者のselckiku氏(以後敢て和訳して「錠前さん」と呼んでみますが)ホモフォビアの人から攻撃的な発言を受けて「あんなのを許す環境では他の普通でないけどおもろい奴等がますます寄りつかなくなるは」とか、他のロジバン話者と「このごろほんまに人居らんなこのジボブラチャ」「このチャットスペース居心地悪い(to'e kufra)て言うてはるジボ人が何人か居んねん」みたいな感じの趣旨のやりとりをしてをられるんですよ、雑に言ふと。その流れでなら無理もない発言だよね。
………
ふむ、ログをまたもう一度見返してたけど、錠前さん、{.i lo fadni po'o cu kufra .i lo kulnu se curmi fadni cu jijnu po snura}、つまりは「文化的に許容された普通の(fadni)奴だけにとつて居心地が良いんや」とも発言されてて、これは端的ですよね。
それで、ああ、今思へば、別に誰が悪いとか誰を恨むとか言ひたいわけでもないけれど、漠然とした居心地の悪さ、表現しづらいシンドさを感じた瞬間の数々は、毎日チャットサーバーに接続して入り浸つてゐたころにも確かに存在したなあ、とね。
それでもし仮に«xei»の形が一般的になれば当初の«rei»の形は御役目御免となつて路頭に迷ふわけですけど、その身請け先として{ru'e}のce-ki-tau-jau交換語形の役目が提示されたことにもなるよね。
ta'onai 次は«po»。これも先述のce-ki-tau-jauリストに載つてますが、意味的には{xu'u}。恐らく見慣れないであらう品詞LOhOIに属する機能語です。冠詞のLEと似てますけど、述語の代りに命題全体を丸々受け入れてくれる、ケツアナの広い連中ですね。
実はもうすでにはじロジ作者のブログ記事でも紹介されてましたね。確かに{xu'u}のままだと音節数削減の目的では地味な新語ではあります。
しかしながら、ce-ki-tau-jau交換と組み合はせて«po»の語形を得た段階では、何と言ふか、格段に攻撃力が増す感じがします。それこそ続けざまにポンポンと抽象節を撃ち出せるわけですからね、«po»だけに。
ちなみにLOhOI専用の終止詞の{ku'au}には«po'e»か«nei»を当てようとしてるみたい。実際、錠前さんは«nei»を使用してましたね。おれ{nei}のこと好きなんだけどな〜。まあでも言ふほどそんなに使つてこなかつたけどね、思ひ返せば、{nei}。
もちろん、ここまで言及してきた用法は全て非公式中の非公式な部分なので、無理して憶える必要は全く無いです。ただ、「街」でたまたまかうした初見ではわからない用法に遭遇しても、あまり怖気づかないであげてね。