告解

文字数 400文字

生きているならそれは勿論、つらくなることもあるでしょう。
とはいえ私の人生にはそれが、多すぎる気がしてなりません。

他人など、どうだっていいのです。
本心では皆去って、自身と母の二人きりで手を取り合って死んでいく最期を、幸せと決めつけました。

カフカ様が生前自殺に踏み込まなかった理由、或いは踏み込めなかったか、またその理由を知ることができていたとすればそれは、私の大きな生きる希望となり得ていたかもしれません。
言いたいことは言えず、愛するものも愛せず、いずれは人一倍の絶望とも別離し、自を有形しなければこうして嘆いた一日だってまた無いものとなってしまう。
悲惨な主の遺物から勝手に引用した生き方も、やはり無駄花でした。

私の叫びなど所詮、二番煎じに過ぎません。

私はいよいよ逃げるべきでしょう。
はたまたこのまま、苦しみ続けるべきでしょう。
どちらにしても私には、恥、迷惑、自身の罪から逃れることなどできないのです。
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