文字数 338文字

いつまで経ってもクソみたいな音しか生み出せない自分にいい加減嫌気が差してきた故、自己否定を引き金とした発作の妨げとなるようシャープペンシルを握り締め、とにもかくにも手を動かして気を紛らせようと試みた始末。

愚痴を吐き出せばスッキリする筈だったのに、吐いたそれまでも受け止めてくれる都合良き友はいなかった。

独り言では飽き足らず、文字にまで手を染めやがった。

やりたくてやっていた曲作りも、今となっては現実逃避法の一つとして利用しているだけのよう。
その根底にあるのは明白で、二年も経てば誰しも十分に断定できる要因。

無才さから目を背けられず、卑屈な一面が顔を戻し始めた事である。

こんなはずではなかった。
こんなつもりでもなかった。

こんな気持ちになるくらいなら、成長の証なんて要らないのに。
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