二の4頁

文字数 713文字

 これは、まったく何とも乱暴な計画である。
直ぐに無くなるな、そう思って私は3か月目、与えられた酒を飲みながら、ふと考えた。
俺の給料はどうなっている?
ここにいる間は、人との接触は研究員のみ。
更に金を使うことは無い。まったくの実験動物だ。耐えられずリタイアした人も沢山いる。
私は酒と美味しいツマミで、それを回避していた。その辺は大変優遇された。
何せ少量で出来る物は、コストが掛からないから。尤も先に作るか後で作るかで、かなり意味が違う。厄介なので考えるのを止めた。

 既にマンションの住人は、3分の1程しか、居なくなっていた。
ある日、突然団体で人がやって来て。1週間程で戻っていったりもしていた。
成る程、実験だからな。多くの人に体験させているのだな。
私はこの計画が必ず無くなると確信しながら。
科学者として、他の惑星へと移民をする時の、データーとして実験結果を使うべきだと考えていた。研究員はそれを、成る程と喜んだ。

 そして私は遂に3か月を過ごした。
私は3か月間、科学者として色んなデーターを報告し続けた。
本部の連中は、中々素晴らしい情報を有難うと私に感謝していた。
 そして最終日、スタッフが私に、サプライズプレゼントがあると、ニコニコ笑いながら言ってきた。
私はこの計画のスタッフとは、とても仲良くなっていて。彼らのサプライズを期待した。
 すると私の前に現れたのは、巨大なヤス子だった。香水の匂いが凄かった。まるで香水のシャワーを浴びているようだ。
しかもヤス子の鼻の穴の中が見えて。
私は怪物を見る気持ちになった。
口の臭いも気になった。まったく縮小されると普通サイズの人間は怪物だった。
アデリーが可愛かったなと、懐かしくなってしまった。
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