遠雷
文字数 498文字
俺は立ち上がって電気を点けた。先ほどまで晴れ渡っていた休日の昼下がり、空色が俄に暗く変化した。まるで赤ちゃんの機嫌のように。
部屋が明るくなったその刹那、今度は俺の耳にポタポタという音が聞こえた。そしてその音は途端にザーザーというノイズへと変わった。
雨だ。
俺は再び立ち上がって今度は窓を閉めた。網戸越しに雨が降り込んできたらたまらない。
窓を閉めていたその時、今度はゴゴゴ…と遠くの方で音がしているのに気付く。今度は何だ、と数瞬頭を巡らせた後、それが雷の音であることに気付く。
遠雷 だ。
そこで俺はハッとなる。どうして遠雷なんて言葉が瞬時に出てきたのかということに。
そして思い出す。今から約20年ほど前に『遠雷』という曲を夢中になって聴いていた夏があったことに。
3人組のユニットが歌うその曲は一時期間違いなく俺の心を捉えて離さなかった。どこか悲しげな歌詞を力強い声で歌うそのユニットのボーカルの女性の声に深く俺は惹かれていたのだ。
椅子に座った俺はYouTubeを開き「ユニット名 遠雷」で検索をする。
あった。
まるで遠くで鳴る雷に自ら吸い寄せられるようにに俺は再生ボタンを押した。
部屋が明るくなったその刹那、今度は俺の耳にポタポタという音が聞こえた。そしてその音は途端にザーザーというノイズへと変わった。
雨だ。
俺は再び立ち上がって今度は窓を閉めた。網戸越しに雨が降り込んできたらたまらない。
窓を閉めていたその時、今度はゴゴゴ…と遠くの方で音がしているのに気付く。今度は何だ、と数瞬頭を巡らせた後、それが雷の音であることに気付く。
そこで俺はハッとなる。どうして遠雷なんて言葉が瞬時に出てきたのかということに。
そして思い出す。今から約20年ほど前に『遠雷』という曲を夢中になって聴いていた夏があったことに。
3人組のユニットが歌うその曲は一時期間違いなく俺の心を捉えて離さなかった。どこか悲しげな歌詞を力強い声で歌うそのユニットのボーカルの女性の声に深く俺は惹かれていたのだ。
椅子に座った俺はYouTubeを開き「ユニット名 遠雷」で検索をする。
あった。
まるで遠くで鳴る雷に自ら吸い寄せられるようにに俺は再生ボタンを押した。