2頁

文字数 677文字

 兎に角、人を探そうと外に出てみたが。
その場所、マンションの様な建物の前の道は、瓦礫で埋もれて、私は山登りみたいに瓦礫を登り歩いてみたが。やはり1時間歩いても、人の気配は無かった。
 私はその時確信した、独りぼっちだと。
こんな状況でも私は、会社を無断で休んではいけないと、何とか自分のいる場所を特定しようと考え、色んな方向に歩いてみた。

 裏手は雑木林で、とても人が分け入る事の出来る場所ではなかった。
前の道は右と左に分かれていて、歩いてみたがだが、かなり歩いても建物もなく。
瓦礫があり自転車で走る事も出来なかった。
 尤も自転車など無いのだが。

 当然、車など何処にも無かった。
おかしな事だと思った。何かがあったのなら、例えば核戦争とか宇宙人が侵略してきたとか。核戦争なら放射能でとっくに死んでいる筈だ。
風向きが良くて放射能で汚染されていないのか?放射能は風で飛ばされるのだろうか?
 私は知らない。

 兎に角、核戦争は無いなと思えた。
その理由は、人の死体や車の壊れた物とかあっても良い筈だからだ。
それら痕跡が全く無いのだ。
 私は私だけ、この場所に連れて来られたのではないのだろうか?そう考えた。
だが何故、私を?それが最大の疑問だった。

 私は建物の外の探索を早目に止めた。
体力を使うからだ。
迷子になって、戻れなくなれば死活問題だ。
私は誰か救出に来るかもと、このマンションに居ようと決めた。
先ずは現状を確認しよう、そう思いマンションの部屋を片っ端から全階、扉を開けて中を見た。何かしらの生活の跡はあったが、散らかっている様な、片付けられた様な、中途半端な感じだった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み