付録2の2 「誰が」を変えれば「どうした」も変わる その6~11

文字数 1,036文字

その6.「生きのびた」

大坂夏の陣の戦火をかいくぐって落ちのびた幼い真田守信(大八)は、仙台藩にかくまわれた。
先に仙台藩片倉家にとらわれ、侍女として召し抱えられていた姉、阿梅[おうめ]のつてであった。
その7.「生きのびた」

大坂夏の陣のおり、父とともに陣中にあった真田信繁の三女阿梅は、
敵方である仙台藩片倉家の兵に乱取り(生け捕り)され、
同家の侍女として召し抱えられた。
その8.「生きのびた」

大坂夏の陣のおり、父とともに陣中にあった真田信繁の三女阿梅は、
敵方である仙台藩片倉家の兵に乱取り(生け捕り)され、
同家の侍女として召し抱えられた。

当初は阿梅が口を閉ざしていたため、出自不明のままであったが、
後に信繁の娘であることが判明し、
元和6年(1620年)に当主の側室となり、正室の死後、継室(後妻)となった。
その9.「生きのびた」

大坂夏の陣のおり、真田信繁の三女阿梅は、
いとけない少女の身でありながら、城を枕に討ち死にする覚悟で、
父とともに陣中にあった。

ときに阿梅、十二歳。

白綾の鉢巻に白柄の薙刀[なぎなた]、その可憐でけなげな姿を、
敵方の猛将が見初め、
落城の業火の中をかいくぐって連れ帰り、
時を待って、
妻としたという。
その10.「惚れた」

かの伊達政宗の右腕、知勇兼備の猛将、
片倉小十郎重長。
人呼んで、〈鬼の小十郎〉。

大坂夏の陣のおり、激戦の末に真田氏を討ち果たす。

だが、必死に薙刀をかまえる可憐な姫を見て、
殺すにしのびず、

落城の業火の中をかいくぐって連れ帰る。

重長の正室は体が弱く、ほどなくして世を去った。
すでに側室となっていた阿梅を、重長は継室に迎え、
末永く愛したという。
その11.「惚れた」

かの伊達政宗の右腕、知勇兼備の猛将、
片倉小十郎重長。
人呼んで、〈鬼の小十郎〉。

大坂夏の陣のおり、激戦の末に真田氏を討ち果たす。

だが、小十郎の武者ぶりに、
「敵ながらあっぱれ」
と感服した真田信繁は、
愛娘を、彼にたくそうと決意する。

大坂城落城の前日、片倉の陣の前に輿[こし]二丁が至る。
中には美しい娘が二人。
真田十勇士のひとり穴山小助の娘と、阿梅その人であった。

ときに阿梅、十六歳。

阿梅を娶[めと]るにあたって、片倉重長は細心の注意をはらった。
まず由緒ある他家の養女とし、しかるのちに
片倉家へ嫁がせたという。
鬼の心の、なんたる濃やかさよ。

信繁も、草葉の陰で、
自分の目にくるいはなかったと、安堵していたことであろう。
どれも、すでにある〈物語〉です。
私が新しくこしらえたものはありません。^^
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登場人物紹介

ミミュラ

このチャットノベルの管理人。ときどきアマビエに変身する。
ヒツジのくせに眠るのが下手。へんな時間に起きてしまったり寝てしまったりする。
暑がりで寒がりで、さびしがりや。

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