狐雪

文字数 582文字

●三題噺「吸血鬼」「住み分け」「車」
2021/04/20 15:54

CHIHIRO_F


ここは大きなヨーロッパ大陸ととある島を唯一つつなぐ道路がある場所だ。おっとすまない客だ。

「ここを通りたい。」

「用は、」

「見舞いだ。」

「100セント。」

男はズボンのポッケから硬化を一つ取り出した。

「通れ、」

ああ、すまないここでなにをしているかって、ここで、俺は道の案内人をしている。そうは見えないってか。お、今度は島の方からか。

「通してほしい。」

「口の中を見せろ。」

「……」

「口の中を見せろ。」

こいつは吸血鬼か…

「連れてけ」

これも俺の仕事。この一言で後ろで待機している警備が動いてくれる。そして、島に違反者はもどっていく。

「ま…まってくれ。俺は…娘に会いたいんだっ…おねがっ…」

まぁ、なんだ…これも、俺の仕事だ。あいつはなんなんだってか。あいつは病人。あちらの島には、吸血病と呼ばれる病気にかかった患者が住んでいる。その病気にかかってしまうと八重歯が異常に発達し、人の血を欲しては人に噛みついてしまうらしい。治療法も不明。噛まれた場所によっては死ぬ。

まるで吸血鬼。

それらの問題性から、隔離島を作ったんだとさ。感染方法は確か

痛っ…

首筋が痛ぇ…なんだ、なんなんだ。

さっきの追い出された患者が、俺の首元を噛み付いてやがる。


そうそう、感染方法は吸血病にかかった人に噛みつかれること。


「マジかよ……」


自称、案内人の男はショックで気を失った。

2021/04/20 16:18

Koyuking

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