セリフ詳細

噺家「『世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』



 在原業平さんがこう詠みますと。



『散ればこそ いとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久しかるべき』



詠み人の記録がございませんので、身分の低い方が詠まれたのでしょうが、業平さん、ぎゃふんとなったでしょうな。



ものには盛りと言うものがございますのと裏表で、終わりというものも必ず訪れます。



盛りが過ぎて散る段になりますってぇと、それは寂しくもございましょうが、散り際と申しますものも、また日本人の心には美しく映りますようで……」

作品タイトル:創作落語『散ればこそ』

エピソード名:散ればこそ

作者名:ST  sansyouteitiraku

8|その他|完結|1話|2,900文字

共幻コン, 創作落語, 写真, 花見, コメディ, ほのぼの

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創作落語です。
桜は一斉に咲き誇ってパッと散ってしまいます、盛りの桜も美しいですが、その散り際と言うものも日本人の心にはまた美しく写るもののようで……。