セリフ詳細

あたしは、山科アオイ。17歳。放電型人間兵器。

 交通事故で瀕死の重傷を負ったあたしは、アメリカ国防総省が日本に設置した秘密研究所で放電型人間兵器に改造された。国防総省の放電型人間兵器2018シリーズの5号機だから、20185という兵器番号で登録されてる。

 放電型人間兵器は、ターゲットから20メートルの距離まで近づいて放電でターゲットを感電死させる。アメリカ政府が殺害に関与した証拠が残らないから、国防総省からCIAにレンタルされて欧米に潜入したテロリスト狩りの切り札として使われてる。

 ところが、あたしは実戦演習で標的を1人に定められなかった。ターゲットの周囲5メートル以内の人間を皆殺しにしちまうんだ。そのせいで実戦に使われないまま11歳から15歳まで秘密研究所に閉じ込められてた。

 15歳の時、秘密研究所が謎の一味に襲撃された。どさくさ紛れにあたしは研究所を脱走。ケガをしたあたしは、研究所の外で幸田と名乗る40代の男性に助けられ、そのまま幸田に守られて2年間、国防総省とCIAから身を隠してた。

 でも、3ヶ月前にチンピラ相手を感電させたところを映した監視カメラ映像を国防総省に発見されちまった。あたしに、追っ手がかかった。

 最初の追っ手は、なんと、あたしと同い年の女の子で、あたしが通うフリースクールに現われた。それが田之上ミツキ。ミツキは妹のカスミと一緒に人間兵器への改造手術を受けたけど、途中でカスミが死んでしまい、霊魂になってミツキに取り憑いてる。

 ミツキとあたしは仲良しになって、ミツキはあたしを攻撃できなくなった。それでカスミがミツキの身体を乗っ取って2回攻撃してきたけど、撃退してやった。その時気づいたんだけど、あたしは、いつの間にかターゲットを選んで放電できるようになってるみたいだ。

 結局、今は、あたしとミツキ(カスミ)、そして幸田の3+1人で国防総省から逃げてる。

 ミツキがあたしと合流したので、国防総省は、あたしと同じ放電型人間兵器も含む10名以上の追跡部隊を放ったみたいだ。

 ところが、ネットへの投稿映像とTVニュースを見ると、この部隊はなぞの武装集団の待ち伏せに遭って壊滅したらしい。

 あたしは、追跡部隊を待ち伏せしたのは国際的な武器商人だろうと思ってる。武器商人は、あたしを追ってきた4人の放電型人間兵器と彼らに同行していたはずの人間兵器開発者レノックス慧子をさらって、人間兵器をレンタルしたり製造販売したりする目論見だと思う。

作品タイトル:アメリカ国防総省/人間兵器番号20185 山科アオイ

エピソード名:第1~8章のあらすじ①/逃げる者たち

作者名:亀野あゆみ  ksnksn7923

122|SF|完結|78話|144,970文字

女主人公, SF, ヒューマンドラマ, アクション, コメディ, シリアス, 現代, 少女, 【骨太小説】

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アメリカ国防総省(DOD)の秘密研究所から脱走し潜伏していた「放電型人間兵器」山科アオイ。ささいな事がきっかけでDODに発見され、DOD、CIA、さらには、国際的な武器商人からも追われる身に。アオイが追跡を振り切り、シェルター」のボディガードになるまでの物語。『守護神 山科アオイ』の前日譚。Prequel to ”Aoi, The Guardian Goddess"
「シェルター」=国家や企業などの大組織から追われる善意の個人を守る民間のグループ)で