セリフ詳細

一例を出そうか。

たとえば、東京大学に入りたいと思ってる学生がいたとする。

「なんで東大に入りたいの?」と問う。

「そりゃ東大が1番だからさ」という答えが返ってくるかもしれない。

けれどね、そもそもなんで東大が1番なのか、誰が1番だと決めたのか? 

一言でいうなら<社会>だろう。

で、そいつが実際に東大に合格したとしてね、「すごいボクちゃん」なんていうアイデンティティを身にまとうのだとしたら、それはアートマンではない。

そんなアイデンティティはアートマンではない。

所詮は<社会>が用意した服を着せられてるだけなんだから、ボクちゃんは。

アートマンは自己に着せられる服ではなく、自己の本体なんだ

作品タイトル:[世界宗教探求]インド篇、あるいは解脱のススメ?

エピソード名:12 『ウパデーシャ・サーハスリー』散文篇(3)

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

61|社会・思想|完結|22話|40,456文字

哲学, 思想, 宗教, 仏教, インド, シャンカラ, インド哲学, 脳科学

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インドの哲学・宗教思想について、現代哲学や心理学・脳科学からのアプローチもからめて、超訳していきます。