セリフ詳細

望むところだよ。
ある日、空を覆うほどの巨大な宇宙船が現れる。
ところが、彼らは人間を攻撃するわけでもなく、ただずっとそこに居座るんだ。そして、全ての周波数帯を使って彼らの意志を伝える。
人々は彼らをオーバーロード(上主)と呼ぶようになるが、それまで考えられていた支配者とは明らかに違っていた。権力者の力も遠く及ばない彼らは、文字通り「君臨すれども統治せず」で、人々に憎しみや差別に根ざす一切の争いを止めさせる。
戦争や紛争はなくなるし、南アフリカではアパルトヘイトを止めさせてしまうし、仏教を除く全ての宗教が意味を失ってしまう。
そうやって、オーバーロードは、半世紀かけて地球人たちの価値観を変革していくんだ。そして50年後に人類の前に姿を現すんだが、それは悪魔の姿をしていた

作品タイトル:苦手な人のためのSFセレクション

エピソード名:その3『(地球)幼年期の終わり』(ベスト3の3作目)

作者名:加藤猿実  Sarumi

30|SF|完結|15話|41,200文字

SF小説, 対談, 大学教授, 女子大生と高校生, 初心者向け

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「SFってとっつきにくいですよね」
「SFってサイエンス・フィクションでしょ?」
「もう科学万能の世の中じゃないし,今さらSFってね?」
「たまには読んでみたいけど、何から読んだら良いのかわからない」
そんな風に考えている皆さんのために、SFファンでもあるロボット工学者の森谷幸弘博士にお話を伺いながら、先生がお薦めするSF小説を紹介していきます。
(森谷先生は5年後に小説『Ai needs Yu』に登場する架空の人物ですので、悪しからず)

追記:グレッグ・イーガンがないのは何故か? と友人に問われました。筆車は大好きな作家ですが、森谷先生はイーガンの登場以降SF小説は少し難しくなったと感じているようです。