セリフ詳細

 チューネンの農業立地論に対して、工業立地論の古典を代表するのが、ドイツの経済学者アルフレッド ウェーバーによる『諸工業の立地(1922)である。彼は、「輸送指向」や「集積指向」について重要な理論を提起した。工業の原料は、その場で加工して重量を軽くしてから輸送したほうが、費用を節約できる。よって、産出地域が限定されている「局地原料」(⇔普遍原料)の産地を、有利な立地だと解明したのが輸送指向論である。その幾何学的説明として、2種類の原料産地と消費市場を結ぶ「立地三角形」が定められ、その中で輸送費が最小化するのは、3点への合計距離が短い地点であり、これに原料の必要量を考慮して、立地が決まると考えられる。ウェーバーの工業立地論は、製鉄業や皮革産業などの分析に有効であった。工業経営が空間的に凝集する集積には、偶然集積と純粋集積がある。「偶然集積」は、石炭・鉄鉱石などの原料地に生産が集中する場合であり、輸送指向に通ずる。これに対して、輸送費よりも「集積の利益」が大きい場合は、立地三角形の最小費用に囚われない「純粋集積」が成立する。集積の利益としては、補助経営との接触、大規模な取引、インフラ整備が挙げられる。一方で、賃金・地代の上昇や交通運輸の発達は、立地分散を生じさせる。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:地理学概論

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|274,160文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。