セリフ詳細

私は、田之上ミツキ。17歳。脳破壊型人間兵器。

 私は、アメリカで交通事故で死にかけていたところを、国防総省の手で脳破壊型人間兵器に改造されました。ターゲットから20メートル以内に接近して私の脳を興奮させると、ターゲットの脳が私の脳の10倍の強さで共振して自律神経が破壊されて亡くなってしまいます。今のところ、脳破壊型人間兵器は私だけです。

 放電で感電死させるより自然死に近い形の暗殺ができるので、国防総省は私に大いに期待したらしいのですが、私はどうしても人を殺すことができず、テロリスト狩りには使われていません。今回、アオイさんの暗殺者として日本に送り込まれたのが、初めての実戦でした。私に妹カスミの霊魂が取り憑いていることを、国防総省は知りません。

 妹カスミの霊魂と私は、他の人に知られないように頭の中で会話できます。カスミは私の声帯を使って声を出すこともできるので、アオイさん、幸田さんとも、よく話をしています。

 カスミは、はじめは私がアオイさんと一緒に逃げることに反対していました。アオイさんを殺して国防総省に戻らないと私の命が危ないと心配していたのです。

 でも、アオイさんに2回撃退され、アオイさん、幸田さんと行動をともにするうちに、カスミも打ち解けてきて、今ではアオイさんを攻撃する気はないと思います。

 私は、幸田さんに用意してもらった隠れ家の近くで、子どもを襲いかけたイノシシを脳破壊で倒しました。その映像がネットに投稿されて国防総省に見つかってしまい、追跡部隊が送り込まれたようですが、私達は一足先に隠れ家を変えたので、出会っていません。

 どうやら追跡部隊は国際的な武器商人に待ち伏せされて壊滅したらしく、私は、部隊に同行していたと思われる放電型人間兵器とその開発者レノックス・慧子博士が武器商人にさらわれたのではないかと、心配しています。

作品タイトル:アメリカ国防総省/人間兵器番号20185 山科アオイ

エピソード名:第1~8章のあらすじ①/逃げる者たち

作者名:亀野あゆみ  ksnksn7923

122|SF|完結|78話|144,970文字

女主人公, SF, ヒューマンドラマ, アクション, コメディ, シリアス, 現代, 少女, 【骨太小説】

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アメリカ国防総省(DOD)の秘密研究所から脱走し潜伏していた「放電型人間兵器」山科アオイ。ささいな事がきっかけでDODに発見され、DOD、CIA、さらには、国際的な武器商人からも追われる身に。アオイが追跡を振り切り、シェルター」のボディガードになるまでの物語。『守護神 山科アオイ』の前日譚。Prequel to ”Aoi, The Guardian Goddess"
「シェルター」=国家や企業などの大組織から追われる善意の個人を守る民間のグループ)で