セリフ詳細

 キアラの氷のように鋭い声と、マルキオンの痛ましい悲鳴が同時に漏れた。

 おお、見よ! 魔人の首筋を! 首筋から十字架の先端が突き出て、緑色の血液がピューと溢れているではないか!? 

 実はこの十字架、先にキアラが投じたものなのである。

 マルキオンがかろうじて躱した十字架だが、これはマルキオンを過ぎ去ると、アボリジニの用いる異形の飛去来器(ブーメラン)の如くに空中で回帰し、炎に慌てるマルキオンを背後から襲ったのであった。

 クロフォード家長女と四女の、計算され尽くした戦術コンビネーションである。

作品タイトル:聖母妖魔伝

エピソード名:一、邪宗真槍

作者名:架神恭介  cagami

54|歴史|連載中|2話|13,102文字

キリスト教, 伝奇, バトル, 聖書ラノベ新人賞

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マリアの処女、犯すべし――!

十六世紀に転生した聖処女マリアを追って、時代を超えて現れし異端、異教徒の呪われし七人。
巨大醜悪なる陰茎と恐るべき魔性技を備えしアナテマの七魔人たちが、マリアの処女を狙って襲い来る!
迎え撃つは教皇庁攻性異端審問官「鷲のクロフォード家」。
無垢なる処女マリアを守護し、バチカンへと護送せよ! マリアの処女膜が破られし時、神の御子の聖性は地に墜ち、歴史は改変され、この世は魔界へと変貌する――!