セリフ詳細
少女の頭を包んでいた布がはらりと落ちて、油に濡れた黒髪と浅黒い肌が顕となった。十数分に及ぶ逃亡により少女は息を切らしている。肺が締め付けられるように痛い。それに、脳髄は酷く困惑していた。不可解なのは、謎の巨根男に追われることだけではない。
ーーここは、一体どこなの!?
少女には訳が分からない。いつも通りナザレの自宅にいたはずなのに、ふと目を瞬いた瞬間に、目の前の光景が一変したのだ。見たこともない様式の廃屋が立ち並び、人の気配は辺りから一瞬にして消えた。そして、代わりに彼女の目の前にいたのが、あの、長大な陰茎を持つ魔人なのであった。男がその陰茎の先からどろりとした液体を漏らした瞬間に、彼女は悲鳴を上げて、訳も分からぬままに駆け出したのだ。