セリフ詳細

「左半球は言葉を話し、理解できる切れ者。いっぽう右半球は言葉を話さず、言葉を理解する能力も限定されている。そこで私たちは、右脳に対しては小学一年生レベルの絵と単語を使った簡単な概念テストを行った。被験者の右半球に『なべ』という単語を見せると、左手はなべの絵を指す(デンケン注:右脳は左手をコントロールし、左脳は右手をコントロールする。脳と身体の関係は左右逆転する)。『水』という単語なら水の絵を示した。ここまでは問題ない。右半球は単語を読みとり、それと絵を関連づけて正しく答えた。ところがこの二つの単語を同時に表示したときは、被験者の左手は水の入ったなべではなく、空っぽのなべを指したのだ。同じ課題を左半球にさせると、難なく正解した。そこでわかったのは、右半球は推論が苦手だということだ」[上掲書、P82]

作品タイトル:[世界宗教探求]インド篇、あるいは解脱のススメ?

エピソード名:18 脳科学的アプローチ(2)

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

61|社会・思想|完結|22話|40,456文字

哲学, 思想, 宗教, 仏教, インド, シャンカラ, インド哲学, 脳科学

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インドの哲学・宗教思想について、現代哲学や心理学・脳科学からのアプローチもからめて、超訳していきます。