セリフ詳細

さっき言った社会=他律的な自己定義はね、デカルトに言わせればアテにならない(確固たるものではない)。

というのも、デカルトはね、こんな思考実験をするんだ。

神様が、あるいは悪魔でもいいんだけど、そういった存在がいてね、きみを騙すかもしれない、と。

あなたは釈愛理ではなく、[田中道子]だと思いこまされてしまう。

あるいは、あなたは女ではなく男だと思いこまされてしまう、神的あるいは悪魔的な力でね。

そうすると、あなたの社会=他律的な自己定義はぐらんぐらんと揺らいでしまうことになる。

もっと言うとね、釈愛理ってのも、じつはそう思い込まされてるだけなのかもしれない、とね。

だから、アテにならないんだ

作品タイトル:[世界宗教探求]インド篇、あるいは解脱のススメ?

エピソード名:13 間奏曲:デカルトの我(コギト)

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

61|社会・思想|完結|22話|40,456文字

哲学, 思想, 宗教, 仏教, インド, シャンカラ, インド哲学, 脳科学

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インドの哲学・宗教思想について、現代哲学や心理学・脳科学からのアプローチもからめて、超訳していきます。