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また、各国が民主化(及び部分的な市場経済の導入)へ至った経緯というのも、それこそ様々だ。

むしろ共産党自身が自己反省的に一党独裁を廃止しようとしていたハンガリー、

反体制的な自主管理労組「連帯」が民主化運動を牽引していったポーランド、

知識人グループの活動が影響力をもっていたチェコスロバキア、

市民運動というよりは共産党内部の政権争い的なニュアンスが濃いルーマニア、

ハンガリーがオーストリアとの国境を開放したため、そこを経由して東ドイツから西ドイツへ脱出しようとする市民が絶えず、歯止めがきかなくなり、いわばなし崩し的に倒壊していった東ドイツなど、

街頭デモといった市民運動が民主化へ向けての大きな要因であったことは事実であるにせよ、それがすべてではなかったろう

作品タイトル:「市民社会」と「公共性」あるいは「国家」とは何か?

エピソード名:1 東欧革命と市民社会

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

51|社会・思想|連載中|25話|58,896文字

市民社会, 公共性, 社会哲学, 哲学, 思想, 社会学, 政治, 民主主義, 国家

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「市民社会」と「公共性」、及び「国家」について学説を整理しながら考えていきます。