セリフ詳細

そんな未熟な思想どこにもない、と言われるだろう。

果たしてそれもそうなのか。今やコミックマーケットの大群衆に見られるように一つの大きなコミュニティとして階級闘争できるレベルの連帯が、もうなんだかわからないが出来ているではないか。

作品タイトル:人生に必要なキルケゴール(哲学者)の約半分を配合した小説

エピソード名:第七話「本当の自由」

作者名:ウェルダン穂積  welldoneh

38|社会・思想|連載中|14話|25,216文字

聖書ラノベ新人賞

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健康成分のような名前の哲学者キルケゴール。「俺はあんたを恨んでいます」
絶望してカッコよく恋人を愛深きゆえに捨てた超中二病。
かつて、そんなカッコよさに共感して恋人を捨てた僕は、アラフォーの今もキルケゴールを恨んでいる。

信仰も絶望もいいけれど、あなたは幸せだったのか?

家にタイムマシンが突っ込むでもなく、キルケゴールの亡霊が降りてくるでもない。神様は僕の人生にテコ入れする気はないようだ。

思想信条だけで世界を変えよう。それはあたかも宗教のなせる業のようである。無宗教でどこまでゆける。
実存哲学者キルケゴールよ!

俺はあんたを倒してみせる。
絶望の病も恋の病も超えてみせる。

昔に生きる知の巨人はどうしたって今の言葉を語れない。
この場の自由こそが与えられた奇跡。
タケコプターもどこでもドアも、王家の血筋もないけれど、あんたを倒して世界を救う。

ドタバタできずにジタバタする男の美学をご覧あれ。