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■余計な口をはさむので予め深く謝罪したい

出版企画を大きく盛り上げたくなってしまうところですが、プロジェクトの実現可能性は常に想定していたほうがいいですね。詰まらないご指摘になってしまい、本当に申し訳ありませんm(_ _)m


河北編集長が「リアルイベントはどうしても手間・暇・コストがかかってしまいます」とご指摘されていることの繰り返しですが、結果を出せる目算、予算、注ぎ込む労力などを想定してみてください。

文庫1冊600円代ですし、その大半には取次コスト、印刷コスト、出版社固定費などが発生しますので、よほど重版がかからない限り版元さんが赤字となってしまうプロジェクトです。本プロジェクトにおける損益を考えると、どうしても守りの企画(コストと労力を押さえたもの)になってしまうのは、いかなる企業であってもやむを得ないことです。

「重版をかけにいくためにイベントするんだろ」というご指摘は承知のうえなのですが、その可能性は元々高くないので、1件決まれば100万円の粗利益というプロジェクトならまだしも、本事業領域についてはかなり厳しいのではないかと思われます。

その点では、たしかにWEBは有効です。別途、自分がオススメする方法を下のほうに書くと思いますので(※長文になりすぎなければですが)少々お待ちを。




■自身の経験

かく言うぼくはプロジェクトを思いつくまま色々立ち上げてしまうタイプなので、偉そうなことは言えません。そのせいで分野が多数に広がってきました。

平均すればほぼ毎週(1週間に1つ)何らかの新規事業を考えていまして、2週間に一度くらいの割合で事業計画書を作るに至り、周りに聞いて回ります。そのうち2か月に1つくらいの案件がモノになりそうで、実際に積極投資していったり、弊社の開発力を注ぎ込み始めたりするのは6カ月に1つくらいになるでしょうか。そこまでいけば独力で(もちろん弊社内チームの力を借りますが)、形にするに至ります。

強く申し上げたいことは、思い返せば一定以上の成功と見ていいのは、基本的にぜんぶ独力でやったものです。プロジェクトを誰かに少しでも依存したものは、ほとんど上手くいきませんでした。依存相手も、こちらに依存しているということなのでしょうね。

「俺がやる、俺が労働力を差し出す、俺が告知する、俺が金を出す、準備も実施も俺が全部やる。だから一緒にやろうぜ」という姿勢が大事だということです。




■必要な要素まとめ

だから「出版社と一緒に」とか「こんな企画どっすかね~?」という姿勢よりも、「自分がこんなことをやると決めているけれど、興味ありますか? もし興味があるならサポートしてもらうことって可能ですか?」と続けたほうがいいかもしれません。


もう少し具体化しますと、


(1)「俺がやろう」という強い意志があるもの。


(2)出版社上層部の決済があまり必要でないもの。つまり出版社が後援となれば、出版社がお墨付きを与えたように見えます。たとえば講談社は重要な文化企業の一つですから、そこらじゅうのイベントを決済なしで軽く公認することはできません。


(3)そのうえで出版社のサポートや告知があることで価値が向上したり、プロジェクトに好影響をもたらせるもの。


逆にいえば、これらの要件が揃えば、版元さんが積極的にやらない理由はなくなるのではないでしょうか。




■ぼくのオススメ

そこで、ぼくが皆さんに現実可能性の一つとしてオススメしたいのは、NOVELDAYSでの座談会主催です。


座談会一覧

https://novel.daysneo.com/symposium.html


何らかのプロフェッショナルや著名人1名以上、パネリスト2名以上がいれば、NOVELDAYSが座談会をお知らせさせて頂けると思います。この『リデビュー座談会』は、著名人がいるかどうかは怪しいですが、ちゃんと身分を名乗れるパネリスト3名は揃ってますね。

(※尤も、皆さんが座談会主催できるかどうかはぼくの決裁事項ではありませんので、サポートにご連絡いただくのがよいかと)


創作や人生に関するあらゆるテーマで議論できます。

昨今はYoutuberなどが景気がよさそうに見えますが、あちらはあちらで凄まじい過当競争の分野でもありますから、作家で苦戦しているのに動画配信で成功を狙うというのはアベコベな話です。

しかしNOVELDAYS座談会というのは文章での勝負であり作家に相応しく、広く見渡しても競合らしい相手がおらず、少なくともクリエイター業界からはそれなりにアクセスを集めます。過去に様々な座談会がありましたけれども、5日間開催で10万PVとか超えたものも普通にあります(エピソード閉じたものも多いので、表示の数字は減っていますが)。

また、「電子書籍化するので著作権放棄をお願いします」と謳っておけば、ご自身の著作として実際に電子書籍化も可能です。編集作業など大変ですが、それはこれからの作家に必要な経験に違いなく、ノウハウも獲得できます。その際は、ぜひ版元さんに劣らない表紙を用意してください。




またまた長くなってしまいましたが、作家は個人事業主です。

自分の足で立つのだ、という意識を忘れずに。

作品タイトル:NOVEL DAYS リデビュー小説賞 座談会(第二部閉幕!)

エピソード名:リデビュー小説賞 座談会 #2-2

作者名:講談社タイガ公式  kodansha_taiga

228|創作論・評論|完結|9話|126,227文字

【リデビュー小説賞】, 講談社タイガ, 講談社ラノベ文庫, 講談社ノベルス

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「NOVEL DAYSリデビュー小説賞 座談会」

現在第二部も終了いたしました。

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■参加者
司会:作家 至道流星

講談社ラノベ文庫 編集長
講談社タイガ 編集長

リデビュー賞応募者のプロ作家の皆様

■開催概要
講談社が主催する「NOVEL DAYS リデビュー小説賞」についての座談会を開催いたします!
この賞を開催するにいたったの経緯や、現在の出版市況、小説に対する思いなどを、縦横無尽に熱く語っていただきます。

「リデビュー小説賞」の応募資格をお持ちのプロ作家の方々からのコメント、ご意見、ご質問なども大歓迎です。

*応募者や応募検討中の方へのご質問などにもお答えいたしますので、今回の座談会への参加者(書き込める方)は「リデビュー小説賞」への応募資格のあるプロ作家の方に限らせていただく形にて開催してみます。

座談会は、2018年10月18日(木)の16時頃~1週間後の25日16時頃までを予定しております。

リデビュー小説の開催概要はこちらをご覧ください。
https://novel.daysneo.com/award/kodansha001.html

*こちらの座談会は開催当時の紹介です