セリフ詳細

 千年前のネーデルラントは、広大な森林に覆われた三角洲であったが、長く農地開発を続けた結果、動植物の大半は二百年前に絶滅してしまった。河川の多面的な役割を評価し、史料・古地図などから「参照すべき自然状態」を推定し、その回復・再生が試みられている。1990年代の洪水を機に、ネーデルラントは「川に道を譲る」1996などの水管理政策を次々と打ち出した。生態系と洪水防止を両立させ、氾濫原の土地に対する利用規制を定めた。また、ネーデルラントにとって地球温暖化は国家存亡に関わる問題であるため、気候変動の影響が疑われるヨーロッパの大洪水を警戒し、最善の治水政策を摸索する意識が強い。その治水計画は、我が国の流域文化にも存在した「水害を受容する思想」と近い。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:水環境論 ヨーロッパの河川

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|274,160文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。