セリフ詳細

 城下町の完成に至る最大の画期は、安土桃山時代の織豊政権であり、従来の都城的中世都市や宗教都市とは異なる、近世都市の城下町が見られるようになる。その始まりが織田信長安土城1579 滋賀県 近江八幡市)であり、続いて豊臣秀吉聚楽第1587 京都市)などが築かれた。後に安土城・聚楽第は破壊され、楽市・楽座で栄えた安土町も農村に戻ったが、その構想は大坂城伏見城などと共に、近世城下町の出発点になった。近世城下町の特徴は、兵農分離によって、農村との分離を明確化し、武士(武家屋敷)と商工業者(町屋)の集住を強制的に徹底した事である。これによって、第一次産業の村落(農村・山村・漁村)に対し、第二次・第三次産業の都市である城下町が形成された。江戸時代の17世紀前半までに、近世城下町は全国各地に広がる。藩経済の中心である城下町は、幕藩体制における都市の性質を最も集約した地域に成熟した。江戸・大坂を筆頭に、仙台・金沢・名古屋・福岡などの大都市が繁栄した。最大の城下町たる江戸では、沖積低地の町屋が「下町」、洪積台地の武家屋敷が「山手」と呼ばれ、現在の東京に至る実質・等質地域を形成している(藤井2014。城下町以外の都市では、商品流通経済の発達に伴い、港町・宿場町・門前町も栄えた。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:日本における都市の起源

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|274,160文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。