ホイッスルがきこえる
旧友との再会が僕をちょっとだけ強くする。そんな物語。
僕たち夫婦は結婚当初から子どもが欲しかった。
入社13年目の僕は主任として営業課のチームの動向を見ながら、既存客の更新や新規客の獲得に苦戦し、上手いように営業ノルマを達成できずにいる。それでも当たり前のように明日はやってきて、毎日悲しそうな顔をする彼女に気の利いた言葉もかけられない。
「おう、まっつん。なんだ久しぶりだな」
いつものように営業エリアを歩いていると、目の前に高校時代サッカー部のチームメイトだった佐伯比呂が現われて。
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