月浦朱音の出帆のとき ~真帆と瑞穂②~

作者 和泉綾透

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真帆と瑞穂の物語(2)

月浦朱音、二十三歳、出帆の時。
立てた計画を消化して行くことと、計画の先にあるものを手に入れることのあいだには、
実はちょっとした跳躍が求められる。ふたつは決して連続した地平にあるわけではない。
我々はそのことに、そのときになって、初めて気がつくものだ。
関係の壊れた母親のもとから逃れるために家を出るお金を貯めている恋人と、
生来的な聴覚過敏のために世界と折り合いをつけるのが下手な姉のあいだで、
どうにも身動きが取れず立ち往生してしまった青年。
そして、見守る者、巻き込まれる者、疑う者、悔いる者、手を差し伸べる者。
出立を希求する若者たちの突飛で拙劣でちぐはぐな振る舞いと、
経験を積んだはずの大人たちとの小さな相克と駆け引きの物語。

既刊『真帆と瑞穂』続編。

〈若者たち〉
月浦朱音 :二十三歳、会社員、母親の不貞をきっかけに十六歳から心療内科に通う。
神崎真帆 :二十三歳、会社員、二卵性双生児の姉、生まれつき聴覚過敏を持つ。
神崎瑞穂 :二十三歳、会社員、二卵性双生児の弟、月浦朱音の恋人。
日高英美里:二十三歳、会社員、神崎瑞穂の同僚。

〈大人たち〉
織田高志:心療内科医、月浦朱音の主治医。
織田彩愛:織田の妻。
妹尾諒ニ:製薬会社の営業、織田高志の同窓生、彩愛の元上司。
池内常葉:製薬会社の研究員、神崎姉弟の叔母。
池内夏馬:神崎姉弟の従兄。

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