平凡な学芸員の危険な一日
東都近代史博物館で博物館学芸員として勤める僕は、極薄給で暮らす平凡な近代史研究者である。
そんな僕が今日突然中国の諜報員に攫われたのだ。
ところがその窮地から中華民国(台湾)の女諜報員を始め、CIAの諜報員や自衛隊別班の諜報員達が僕を救い出してくれた。
そんな危険な1日を体験することになったのは、総て極秘文書のせいだった。
戦前日本統治下にあった最後の香港占領地総督・田中久一中将の秘書官だった僕の曾祖父が、戦後日本に持ち帰った極秘文書。
その極秘文書は僕が中学のとき、我が家の蔵から見つけ出した物だ。
僕を救ってくれた中華民国軍女性諜報員の名は美玲。
美玲は半年前に出会った僕の愛しの人でもあった。
そしてその危険な体験をした今日、彼女の美玲と言う名が、本当はメイリンと読むのだと言うことを初めて知る。
そんな美玲が別れ際に極秘文書と引き換えに僕に授けた銀貨。
その銀貨の価値が美玲と僕に纏わる総ての出来事が真実であったことを示す。
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