半狂乱のベースボール

作者 yumenonaka

[学園・青春]

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 野球をやる際、大事なのは自分をいかに冷静に半狂乱にもっていくかではないか。
 常にそう考えていた。
 しかし、それとは裏腹に俺は野球が下手だった。チームメイトもあまり上手なやつはいない。技術がないのに、精神力もないやつらばかりだ。俺はせめて精神力「だけ」はあるつもりだ。だが、それももうすぐ消えゆく運命の気がしていた。
 カキーン
 バッターの打った球は、綺麗な放物線を描いてレフトの頭上を越していく。ドタドタドタとバッターは走っていった。
 だめだ。
 嫌な胸騒ぎがしていた。
 これは現実になるタイプのやつだ。

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