誰もが給食の揚げパンを好きだと思ったら大間違いだ!

作者 杲⇌杳

[ファンタジー]

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 全てが穏やかで整おっていた地方都市から、都心近郊の高校へと進学し、単身生活を始めた照壬慧斗は、目と鼻の先の近所で、保護者代わりとなった母方の親戚たちにも馴じめずに、育て親の祖父サマが暮らす山への望郷で、新年度のスタートから鬱ぐ日日を過ごしていた。

 ムカつく相手にも、最低一〇回はガマンしろという祖父サマの教えを守り、ムカつく前席のクラスメイトのツッコみと称する平手打ちに堪えていた照壬だが、一〇回目を迎えたあとは即ブチギレ。思わず急所ばかりにブチ込んだ二撃で、クラスメイトを卒倒‐失神させてしまい、それで完全に嫌気が差した照壬は、いっそのことと、山は山でも、祖父サマの友人がハンターをしている奥深い山へと、弟子入り志願でほとぼりを冷ます決意を固める。

 そんな照壬が独り目覚めたのは山の中。それも辺りに生える草木は見慣れない物ばかりな上、スマホもなくなっていたために、方角すらわからない状況に陥るあり様。しかしその代替みたいに、ライフルのような両刃の大剣が荷物の上に置かれていた。
 それを手に、森をしばらく彷徨った照壬は、オピと呼ばれる一本の知恵の木と遭遇する。それでどうにか沈みきらずに、照壬は自分をとり戻していく。
 言葉を話すオピにノキオと名付けて、互いにあれこれ教え合う関係になっていく照壬だったが、樹幹からツリーマンとして分離したノキオが、自らを犠牲にしてまで誘拐されて山に来た御当地ミスコン女王ヴォロプを救ったことから、照壬の悪戦苦闘な常不断が始まる。
 その超美女子は、生命の危機に直面すると、自爆により約三キロ圏内を吹き飛ばしてしまうボムバーナだった。

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