空手バックパッカー放浪記

作者 冨井春義

[現代アクション]

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3件のファンレター

本当は弱いのに絶対に負けてはならないアジア死闘の旅。
空手は少年時代に少し齧った程度。強くはない、むしろ弱い私は、持ち前の好奇心のせいで、軽はずみにもスリランカでの空手の指導・普及という大変な任務を引き受けてしまいます。しかも「もし万が一戦うことがあったら、どんな卑怯な手を使っても絶対に負けてはならない」という厳命を受けて。そんなインチキ空手家の私は、バンコクのムエタイ使い、身長2mのフランス人空手家、スリランカのソルジャー、カンボジアのショットガン強盗、チャンマイ・マフィアなど次々現れる強敵・難敵を相手にハッタリと機転と卑怯を武器に戦います。そして死闘の旅の果てに出会った切ない恋の行方は?筆者の自伝風ホラ話です。

ファンレター

わずかな度胸と研ぎ澄まされた悪知恵のへたれ活劇!

 ここ数日、これを読むのが楽しみでたまらなかった。読んでいると日々の嫌なこともすべて忘れるくらい発散できた。もう完結か~、さみしいっ。

 コロナ禍の中で、なかなか海外旅行にも気軽に行けなくなってしまった昨今、旅行記は脳内で海外旅行を楽しむことができる貴重なジャンル。この作品は軽妙な語り口でたちまち気分は東南、南アジア。しかしそれだけではない、これは「空手の型は美しいが実戦はからっきし」の主人公が行く先々で(否応なく)対戦する強敵に、わずかな度胸と研ぎ澄まされた悪知恵で立ち向かう、胸熱の冒険活劇でもあるのだ。へたれの主人公が、旅先で得た怪しい人脈と知識をフルに生かして思いがけない手で難関を切り抜けていく様は、爽快。読んでいて先の展開が読めずまるで自分がその場にいるかのようにハラハラした。

 ノンフィクション(?)であるから面白いのではなく、もう本当に活劇として堪能した。
 面白かった!!!

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