呼吸

作者 TamTam2021

[社会・思想]

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1件のファンレター

家も生きています 呼吸しています 私たちと共に
アパートであれ何であれ私たちを外から守ってくれるものに感謝です

ファンレター

共に生きる家

柔らかな色合いの表紙に似合う、穏やかで少し悲しみの色が混ざり合った、息吹を感じる詩ですね。レースのカーテンが、まるで呼吸をしているかのようにふんわりと膨らんでは、また素早く窓の方へ吸い付いて行く様子が目に浮かぶようです。家もそこに住む家族と共に生き、歴史を刻むのですね。和やかで幸せな愛に満ちた時間がそこには確かに流れ、幾つもの喜びや悲しみを受け止め、呼吸をやめない家。家が呼吸をやめる時、それは住む人がいなくなる時なのだと改めて思いました。廃屋になって死んでしまったようになっても、確かにそこには家族と家が生きて来た足跡が刻まれ、見る者にその歴史を語りかけているのでしょう。美しい詩をありがとうございました。

返信(1)

お便りありがとうございます。茨木のり子の詩に「廃屋」という作品があります。本当に人が住まなくなった家は短期間で見事に廃屋となってしまいます。人が家に棲む、それは絶えず何者かと果敢に闘っていることかもしれぬ、と茨木は結びます。どんな家でもそこに住む人間の色濃い息吹が満ちています。家はその家族のすべてを包み、ともに呼吸しているのです。だから家は人を生かしもすれば、殺しもする重要なものだと思います。人とともに生き、人とともに死ぬ生き物であるのが家であると思います。