二重写しの日常

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[創作論・評論]

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「なんのことはない、私の錯覚と壊れかかった街との二重写しである。そして私はその中に現実の私自身を見失うのを楽しんだ」 梶井基次郎『檸檬』

ファンレター

琳さま

いえ私こそ恐縮です!
私こそまさに別人格を作ることで生き延びてきた人間で、もちろんフィクション上のですが。
ただ、私はミステリーを読むと、つい簡単に殺されるマイナーキャラに目が行ってしまったりするのです。つきあいがある俳優たちが皆売れない人で、超メジャーなミステリードラマの、出てきてすぐ台詞もなく殺される役とかを演じていてたりするものですから。笑
虚構を現実に実装することで生き延びる道もあり、その希望は直接、虚構そのものと現実そのものの可能性をともに拓くものだと、琳様のお返事を読んでうなずかされました。が……、それでも、それは「誰にとっての」現実であり虚構なのか、と、つい思ってしまうのですね。そこに「われわれの」という文字が入るときに初めて、もしかして希望は、現実に動き始めるのではないかと。口はばったいことを申しました。失礼しました。

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