第4話 完結
文字数 222文字
こうしてスケジュールは開店休業のまま、僅かな印税生活を送っていたある日。ちょうど十歳となった長男がテレビの一発屋特集を見ながら何気なく呟いた。
「お父さん、仕事無いんだったら理髪師の資格を取ればいいじゃん」
「どうして今更、理髪師なんだ」
「だって……」
次の日、大森はさっそくパンフレットを取り寄せた。それはもちろん理容師学校の物だった。
五年後、理容師学校を卒業した大森は念願の理髪店をオープンさせる。
店の名前は『二発屋の散髪屋』だった……。
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