セビオはホワイトナイトではないか?

文字数 1,440文字

 今年、コロナで社会が大変になった。サッカー界も例外ではない。鳥栖などは20億円を超える負債を抱えているし、仙台も債務超過になっていることが報じられている。

 親会社は尊い、なぜなら支えてくれるから、チームのために投資してくれるから。

 東京Vには親会社がなかったという。AKATSUKIのようなスポンサーはあったが、連結にして子会社にしてくれるような親会社はなかったわけである。それが、現れた。ゼビオである。

 登場前に、いやいやなったように受け止められているが、相当に重い決断だったと思う。「7.5億円の特別損失」というのが報じられているが、これは東京Vに入るお金なのか、M&Aに使われたお金なのかわからないが、ゼビオはともかくそれだけのお金を東京Vに投資してくれた。そのことを素直に喜ぶべきではないか。もし7.5億円が東京Vの損失の補填に使われたのならば、それはそれだけの「穴」をコロナ禍の中で東京Vが生み出していたことであり、それだけの赤字があったことになる。

 東京Vは7.5億円を超える価値を、これから生み出していかなければならなくなったわけである。会社はある程度経営として運営を行なっている。そのことも重く受け止めておいた方がいい。

 また羽生社長の人柄等については知らないが、7.5億円の赤字を出し、尻拭いを任せて退任するのならば、それはある程度責任というものもあったのではないかと思う。

 Jリーグのチームを救出するために鳥栖などでは地元の経済団体がチームを組み、仙台でもどうするかが論じられていると聞く。親会社がない市民チームはそのように損失を補填する親会社がない。だから経営が苦しい。背水の陣である。東京Vは親会社を再び手に入れた。このことをよく考えてみるべきではないかと思う。

 株式で敵対的買収などから救うために現れる株主をホワイトナイトと呼ぶとかなんとか。だが本当は、ホワイトナイト、正義の白騎士はゼビオではないかという気がする。ミスリードなどもあったかもしれないが、本気でゼビオが救済に来てくれるのなら、来年の負債も引き受ける覚悟できてくれているわけだから、歓迎すべきではないかと思う。背後の事情はよくわからないが。

 さてゼビオ様にもまた一言。

 サッカーチーム、クラブチームはものではできていません。人でできています。人とお金、人と雇用でできています。人は感情に動かされやすいものです。人の気持ちの流れを読み、冷静になられますように。

 アーセナルで一時代を築いたベンゲルは就任当初、チームの組織をいじりませんでした。現存の組織を活かしつつ、パーツを替えるような感じでチームの土壌改良に成功したと聞きます。

 羽生さんの努力と汗はこのチームに染み付いています。慕う人も多い。羽生ロスが起きている段階で、軽率な発言は慎むべきだと考えます。羽生社長の恩沢が染み付いている間は、地道に自分たちの考え方や、努力をとき、積み重ねるべきではないかと思います。

 雇用をいじらないというのは難しいことですが、ドラスティックな改革をするよりはチューニングに留めてはと諫言しておきます。またサポーターの声には真摯に向き合った方がいい。

 ユース、ジュニアユースは非効率に見えて実は宝の山です。波及効果も大きいし、地域とのつながりが密接です。だからユースなども含めて雇用を守られることを切に願います。

 うまく言えませんが、あえて謹んで申し上げます。

 僭越ながら、一言残しておきます。
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