(一)

文字数 264文字

 夜九時を回った頃、自宅のインターホンが鳴った。さらに続けてドアのノックする音とともに私の名前を呼ぶ男性の低い声がした。
 リビングのソファでくつろいでいた私は、「はいはい」とつぶやきながら玄関に行って、何度も叩かれているドアを開けた。
 するとそこにはジャケットを着た高齢の男性とスーツ姿の真面目そうな青年が立っていた。
 パッと見た感じ、怪しい二人組だった。強盗かなにかか。それともレイプ魔か。一人暮らしの女性の部屋を狙い、宅配便を装って訪問し、ドアを開けた隙に部屋に押し入るという手口があるというが、もしかするとそれか。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み