第2話 小鳥が来ない

文字数 695文字

翌朝、薄いカーテンから太陽の光が差し込むと、二人は目を覚ました。
潮見はひげを剃って顔を洗い、聡は顔を洗って、二人は服を着替えた。
一緒にテラスに出てみたが、辺りはシーンとしている。
物音がない。

「静かですね、まだちょっと冷えるからかな」
聡は言った。
「そうだね」
潮見もテラスの手すりに寄りかかりながら答えた。

そこへ、一羽のヒガシキバラヒタキがひらりと飛んできて、近くの木の枝に止まって鳴いた。


https://en.wikipedia.org/wiki/File:Eopsaltria_australis_-_Mogo_Campground.jpg


Photo by JJ Harrison
Eastern yellow robin (Eopsaltria australis), Mogo Campground, Yengo National Park, New South Wales, Australia, From Wikipedia, the free encyclopedia

ぴぴぴぴぴぴという速い鳴き声だ。
「わあ」
と聡が嬉しそうに小さな歓声を上げた。
「いいね」
と潮見も嬉しそうに見つめた。

その日二人は近所の低山をハイキングして歩き、用意していたおにぎりをお昼に食べた。
みどりの木々は、聡が気になったのだが、なんとなく元気がなさそうだった。ある木を見つめると、枝や幹が茶色く変色していた。
「ほかに人に会わないのはいいが、ここはちょっと寂しい場所だな」
と潮見も茶色い木を見て感想を述べた。

次の日、その次の日も、小鳥は来なかった。
二人とも腑に落ちなかったが、その次の日の朝、その理由が分かった。




ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み