2-2
文字数 470文字
「おーい、サクヤ? サクヤく~ん?」
「コイツ、顕微鏡、
「なぁ、あの看護学部の子とどうなったか聞いたヤツいる?」
「食ったのか? 食われちまったのか?」
興味津々と、じーっと見る4人。
4人は肩を組み、ヒソヒソと話し合う。
「あれ~、美亜さんが外歩いてる~!」
……美……亜……さん?
「美亜さんっ、どこっ!?」
ばっと席を立ち、4階の実験室の窓から身を乗り出す、俺。
俺のいる理学部と、美亜さんのいる看護学部は道路を挟んで、すぐ近くにある。
一人でいる、チャンスっ!
「美亜さん! 美亜さ~ん!」
必死で手を振るものの、まったく気づかない。
……逃がすものかっ!
「ちょっと行ってくる!」
実験をそっちのけにして、外へ飛び出す。
正直、こんなに何かを欲しいって思ったことはなかった。
「えっ、サクヤ! あとは結果だけだって……」
「マジでいたのか」
「俺ら、すごくね?」
「アイツ、単位ギリギリだって言ってなかった?」
「…………」
***