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文字数 648文字
「みーちゃん、見たらすぐ帰るから」
「はいはい」
これで4度目です。
警戒してんなぁ、俺のこと……。
単に会いたかっただけなのに。
俺の借りてる部屋は、大学から徒歩10分ほどのところにある、単身者向けのマンション。
家賃の半分を育ての親である
「ニャー」
玄関を開けると、みーがトコトコやってくる。
美亜さんは黄色い声を上げると、スッとしゃがみ込み、みーの体をさする。
「みーちゃん、会いたかったよ。よかったね、サクヤくんみたいな
あ、“いい人”っていう認識はあるんだ……。
「美亜さん、玄関じゃなんだから中に入ってよ」
「え……」
みーを抱きかかえながら、じろりと不審な目つきで俺を見る。
「え? な、中、あたたかいから。エアコンつっけっぱなしなんだ、みーのために……」
「みーちゃん、よかったね。ホント、いい飼い主さんで」
みーを抱き寄せ、すりすりする美亜さん。
ホント、猫好きなんだな。
みーがうらやましい。
「ね、美亜さん。あたたかいもの、いれるよ。ホットミルク? コーヒー? ココア? なにがいい?」
「へぇー、サクヤくんって、意外とサービス精神、高め?」
「ホレた?」
「ば、ばか……」
はい、言われると思ってました。
けど、顔を真っ赤にして、うつむく美亜さん、かわいい。
なんだか俺たち、イイ感じじゃない?
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