必然ではなく偶然(2023.6.25)

文字数 314文字

森を抜けたらまた森で
坂を上ったらまた坂で
また森を抜けてもまた森で
また坂を上ってもまた坂が続く

そんな人生を歩いた二人
が出会ったのは
必然ではなく偶然
だと思います

彼女にとっては森で
彼にとっては上り坂で
私にとっては下り坂で
平坦な道もあれば
砂漠を行く人もいる

見え方
感じ方
が違う
だけなの
ですから

二人で手
をつないで歩いて
いるときは森
も坂も消えてなくなる

手を離したら
また森が現れ坂
が現れます

手をつないで
いるときも
違う道を歩いていた
ことに手を離したら
気づくのです

見え方
感じ方
が違う
だけなの
ですから

彼には森が見えず
彼女には坂が見えません

手をつないで
いるときに二人
で見ているのは
幻道と言います

手を離すのは必然で
手をつなぎ続けるのは偶然
なのだと思います
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