坂道(2023.8.28)

文字数 251文字

坂道を
上り終えると
下り坂が始まる

脛が
痛くなり
思い切って
転がり落ちる

あっという間に
下り終えると
上り坂が始まる

もう
歩けない
と泣いたら
エスカレーターが
現われた

なんて
楽なのだろう

欠伸をしている間に
上り終えて
下り坂が始まる

また
転がり落ちる

僕は
見る見る
うちに
老いてしまった

生き急ぐ
ことを
選んだのは
僕だから
誰のせいでもない

何ひとつ
身にならないまま
時間が
進んでいく

脛が
痛くても
自分で歩くことに
意味があるのだ

歩けなければ
休めばいい

休んでいるときは
考えればいい

生きる
意味を
深く考えるとき
僕は生きている

生き急いで
気づいたこと
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