眠い男(2023.7.5)

文字数 217文字

眠い男は
うとうと
心地良く
舟をこぐ

ずいぶんと
沖へ出たはずが
ずっと
同じところを
回り続けていたらしい

眠い男は
ふたたび
つかの間
舟をこぐ

浅瀬に
乗り上げ
あっさり
振り落とされ
ずぶ濡れになる

机の
コップを
倒して
書類が
びしょ濡れだ

スーツより
書類が大事

今日は
早く寝よう

眠い男は
昼間に
うとうと
するから
眠れないことに
気づいていない

どうせなら
頭から
水をかぶれば
良かったのだ

うたた寝は
ずいぶんと
心地良くて
お金を払ってでも
手に入れたい

そんな
ひととき
だから
やめられない
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