あなた

　たとえ今日僕が休んでも
　誰かが僕の代わりを果たしてくれる
　たとえ明日僕がいなくなっても
　世の中は変わらず動いていくし
　誰かが僕の代わりを努めてくれる
　結局のところ
　僕の代わりは幾らでもいる

　大会社の社長さんが亡くなっても
　誰かが喜々として跡を継ぐだろうし
　大スターがいなくなっても
　直ぐに代わりのスターは登場する
　一国の首相が亡くなったところで
　やはり誰かが喜々としてその椅子に座るだろう
　結局誰の代わりにもなり得ない人など
　この世に一人もいない
　
　悲しいけれどあなたが今日いなくなっても
　この世は何も変わらない
　でもあなたがいなくなったら
　僕の生活は一変する
　この世にあなたの代わりが大勢いても
　僕にとってあなたの代わりは一人もいない
　
　そんなあなたの澄んだ瞳の中に
　あなたの愛情に包まれた僕の姿が映し出されているのなら
　僕はもはやあなたにとって取り替えのきかない何ものかである以上
　僕もこの世の何ものかであり続けようと思う
　今やこの僕自身が
　唯一無二のあなたの
　唯一無二の証だから