第2話

文字数 388文字

そんなふうに一学期を過ごし、僕は16歳になった。
友達が出来た。
バンドに参加したから。
つるむ相手が出来た途端につるむ相手が居ないやつを蔑む。
醜い。
居場所がある安心感。
卑しい。
ひょっとして、みんなそうなんだろうか?
ならひとり、机に伏していたい。
原付きの免許を取り、バイト代で安いスクーターを買って、その冬は僕の肩に自転車のクラスメートを捕まらせて練習場所のある隣の市まで行った。
ボーカルだったから、やはりバイト代でマイクを一本買った。
バイト禁止だったけど、みんなモグリでやっていた。
練習場所はバンド仲間のひとりの親が経営するスナックだった。
営業してない昼間。
もう一箇所、農家の納屋もたまに使った。
僕らのバンドは僕とクラスメートの他に、別の高校のふたりだった。
ライブをやると、集まったガキどもは大暴れした。
やりたい音楽ではなかったし、誰も僕らなんか見てない。
聴いてなかった。
虚しい。
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