第3話

文字数 449文字

彼女が出来たんだ。
僕は暗いから、ミステリアスだったんだろう。
自分でも何もわかってなかったんだから。
それでモテた。
就職クラスは共学で、そこで自足すりゃ良いものを、女子たちは進学クラスに食指を伸ばしていた。
女は怖い。
それでバレンタインには上級生のクラスに拉致されたり。
女は怖い。
そんな事もあってか、学年一の美少女が僕に告白するというイベントが出来た。
その子を知らなかったけど、見たら色黒で首長族の娘みたかった。
どこが良いのか。
当日、別の子が来た。
なんでも首長族は具合が悪くなって来れないから代わりに、とか。
恋のピンチヒッター。
ちょうど聴いてた音楽と一致したし、この色白でほっぺの赤い純朴そうな田舎娘のが、好みだった。
そんなわけで、付きあった。
隣町から通う彼女の為に、わざわざ自転車に乗って来て、下校は並んで走った。
ただ、無言で。
どうして良いかわからなかった。
ある日下駄箱でうわばきを履いたら不自然に彼女がいた。
「あっ。髪切ったんだね。似合うよ」
我ながら、一生に一度の名セリフ。
あんまり似合ってなかった。
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