デスゲーム参加者・A (1)

文字数 852文字

「何やってんですか? そりゃ、1回戦は余裕で突破出来ますけど……2回戦以降は、これよりインパクトが有る事をしないと、脱落ですよ」
 主催者の代理人(エージェント)は、日本からの参加者を、そう怒鳴り付けた。
「は……はぁ……」
「全く、しょうがないなぁ……」
「あの……ところで、ゲームから抜ける事出来ますか?」
「はぁ?」
「もちろん、脳内の爆弾を爆発させない状態で……」
「だから、何、言ってんですか?」
「借金の方が……すぐには無理でも、一〇年後ぐらいには返済出来る可能性が出て来たんで……」
「だから、この業界と手を切って、新しい輝かしい人生を始めたいと?」
「え……ええ……」
「あのね、何考えてんですか? 貴方が、このデスゲームに参加する事を決めた時の契約書に書かれてたでしょ。その場合は、貴方の頭の中の爆弾がドカ〜ンですよ」
「で……でも……今の俺の身に、そんな事が起きたら、大騒ぎに……」
「あのね……2つだけ言いたい事が有ります。1つ。今の貴方は、自分で思ってるほど大物でも有名人でもない。急に原因不明の障害が脳に発生して一生寝た切りになっても誰も騒がない」
「い……いや……そこは認識の相違で……もし俺の身に何か有ったら……その……あんな事が起きたばかりの時に、えっと、何て言うか……俺の身にまで何か有ったら……」
「大丈夫です。日本のマスコミ……貴方の好きな言い方だと『マスゴミ』でしたっけ?……は、死んだ総理大臣が一〇年以上かけて調教してくれた御蔭で……強い者の言い成りです。黙らせる手はいくらでも有ります」
「そ……そんな……馬鹿な……」
「あと……もう1つ言いたい事は……もし仮に貴方が神の唯一の御子にして救世主であるイエス・キリストで、貴方に制裁を加えたら神様が怒り狂って全人類を皆殺しにした上で永遠に地獄に突き落すとしましょう。でも、そんな場合でも、ルールと契約に従って貴方に制裁を加えねばならないなら……我々が言うべき事は、たった1つです」
「え……え……と……何ですか?」
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