デスゲーム運営・日本担当者 (1)

文字数 580文字

 日本からの唯一の参加者に、何とか安全な連絡手段を送付した。
 こちらが立てたサーバー経由で、連絡方法は、当面は暗号化した電子メール(テキスト)のみ。
 だが、向こうが起したいアクションは……一回戦の縮小再生産のみだ。
 困った……。
 まさに、駄目な脚本のアクション映画か……序盤は面白くても、新人賞では確実に落選するアクション小説だ。
 派手で面白いのは最初だけで、中だるみしたまま話が終る……いや、最初に受けた衝撃の分、それ以降は、最初以上の事をしないと誰も面白いとは思わなくなる。
 そして、このデスゲームの脱落条件は「観客のウケが悪い」だ。
「ああ……クソが……」
 しかも、日本からの唯一の参加者の都合で、その参加者がやるべき雑事まで肩代わりする事になった。
 ようやく、必要経費の払い込みを終り……。
 まて……。
 しまった……。
 まさか……。
 おい……。
 何で……何で……何で……。
 ここまで酷い偶然が有るか?
 必要経費の清算をオンラインで行なった後……全身から血の気が引き……。
 違う……。
 オンライン・バンクのWEBサイトの振込終了を通知する画面に表示されている今回最大の必要経費を振り込んだ相手の名前が……違う。
 どうしてだ?
 口座番号……連絡された通り。
 支店名……連絡された通り。
 銀行名……ん? 連絡されてたのは略称で……ここに表示されてるのは正式名称で……あれ?
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