第6話 サイン帳②

文字数 889文字

 昨日に引き続き、中学卒業時にクラスメイトが書いてくれたサイン帳のメッセージです。

 今日は女子のページから。

『悪友のariayuへ
かくことは一つ 同じ学校へいきましょう
どうしてもいきましょうね
石にかじりついてもね
私たちのすることはただ一つ 合格です
はいってしまえまえばこちらのもの
スケバンだろうがなんだろうが なってしまったりして(うそよ)
さよならはいいません 今後もよろしく‼︎ 』

 いつも寝ぐせ無しのボブスタイルが決まっていたKちゃん。朝シャンなんて言葉が無いころから『朝、髪洗うんだ』と言ってた。朝が弱かった私には無理な話。同じ高校へ行くことが出来た。

『どこへ行っても満月のような人 まんじゅうのように寒さがあんこにしみる人へ
ごみばこ・どぶなど見たら思い出そう、私がいたことを』(原文通り)

 ちょっと変わった我が道を行くタイプのEちゃん。理系女で、絵や工作が上手だった。今でも覚えているのが、お弁当に入っていた梅干しの種を割って『食べられるんだよ』と中の実を食べて見せた。確かこの人も理科の先生に。

最後のほうは、先生方のメッセージが。

『早く嫁にゆきましょう。余り長く家にいることは親不孝だ』数学N先生

『いつまでも心優しい人でありますように』美術Y先生

『ariayuちゃんへ
ほほえみでいつも愛くるしいariayuちゃん。およめに行ったら早くママになってよね‼︎ 女の世界って美しくゆったり過ごす日々がとても少ないような気がする。青春を大いに楽しんで、およめさんでがんばって、おばあちゃんで長生きね』 家庭科N先生

 この卒業から半世紀近く。家庭科N先生の『おばあちゃんで長生きね』なんて言葉は当時の私には想像もつかない遠い未来だったはず。今、浦島太郎の玉手箱を開けた気分だ。

 最後に担任のメッセージもと思ったが、さすがは担任。クラブ活動の顧問でもあったので、それはそれは中身が濃いというか手紙のように長い。かい摘んだ内容は『時々成績が落ちて驚かされたとか、テニスの地方大会で優勝した時は嬉しかったとか』当時の私を思い出すには充分なメッセージだった。

 皆んな、元気かなぁ。

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