お金に困った鉄研

文字数 4,539文字

2018年のJAM(国際鉄道模型コンベンション)出展するって総裁言ってたなー。でも総裁、すごく大変そうだなー。お金ないって言ってたし。
総裁のおうちの問題は根深いですわ。しかも総裁の軍資金になってる著者さんの収入、メチャメチャ細いですわ。生活が成り立ってるとは言いがたいです。あれで鉄道模型などやりようがないですわ。
そうだよねー。でも出展するって総裁も著者も言っちゃったもんね。どうするんだろう。お金なんとかしないと。
わたしたちにできる方法があればよいのですが。そこで考えたのですが。


御波さん、わたくしたちの話を電子書籍にしてしまうのはどうでしょう?

ええー! それだったら、詩音ちゃんのおうち、大学の先生でお金持ちなんだから直接支援しちゃった方が早くない?
それは総裁はきっと遠慮してしまうでしょう。総裁、そういうことについては厳しいですから。
総裁強情だもんねー、そういうところ。案外。
それだから総裁は総裁らしく、すばらしいのですわ。
でも総裁がんばってるのになー。YouTubeの鉄道模型チャンネル『北急電鉄』惜しいところで収益化資格失っちゃったしねえ。
911人……あと89人でしたわね。条件のチャンネル登録者数1000人が満たせなかった。再生時間数4000時間はクリアしていたのに。
あれで総裁、かなり意欲失ってたよね。
さすがにあれはきつかったと思いますわ。総裁、ただお金が目的ではないとは言え、実際あのあと『小銭目当てにやってたのか、作りたいんだったらタダで見せろ』という言葉まで浴びせられて。
小銭、って……。その小銭だって私たちには貴重な物なのに。

それに私だったら頭来て悲しくなってチャンネルごと潰したくなるわ。

タダで見て良いようにすることと、強いられてタダで見せることはまるで違うのに!

世のなかはそういうことがわからない人が目立つようになりましたわ。残念なことです。
ほんと残念だよねー。
でも電子書籍を作るというアイディア、これなら総裁ががんばればその分、電子書籍が読まれることで収益になるのではないかと。
総裁、意欲また取り戻して欲しいもんね。でもすでに電子書籍なら私たち、やってるんじゃなかったっけ?
確かに私たちの部誌も電子書籍で刊行してますわ。「シーカムライン」、盲腸線という名前でオリジナル周遊列車『あまつかぜ』の製作記とかいろいろ乗せてあります。なかなかがんばりましたわ。
BCCKS / ブックス - 『エビコー鉄研部誌:シーカムラインvol.1』米田淳一著 https://bccks.jp/bcck/149383/info
というか、その「イケナイ!詩音ちゃんノート」って……。
詳しくはここでは述べられないのですわ……。わたくしとして恥ずかしいことに。
ま、買った方のお楽しみですね!!
そういうことにしておきましょう。
そういうことだよね! ははは。

(詩音ちゃんときどき怖い……。)

そこでこのトークメーカでのわたくしたちの活動「鉄研でいず!」の電子書籍化ですわ。
あれ、それもすでにやってたよね。「鉄研でいず!fofトークメーカー」で。
鉄研でいず!forトークメーカー 特装カラー版  米田淳一 
http://amzn.asia/8ahHLJs
それが……トークメーカのこのトーク作品は電子書籍化しにくいのです。

実際この『鉄研でいずトークメーカー』はオンデマンドの紙書籍と電子書籍両方にされているのですが、とんでもなく手間がかかりましたわ。

確か手作業でAdobe Indesignにコピペして作ってたよね。
そうです。ですからものすごく手間がかかりましたし、なおかつ。
え、なにか問題が?
indesignでは固定レイアウトのPDFしか作れないのです。それではAmazonKindleに電子書籍として出すことができません。
その分PDFを紙書籍に出力してAmazonで売ってるけど……正直高いわよね。
カラー印刷ですもの。記念品としてはとてもよいものなのですが。

しかもAmazonにカテゴリで並べて貰おうと思ったらISBNコードを付けなきゃダメと言われて。

ISBNはつけるだけで申請費が数万円しますわ。

そんなお金あったら電子書籍とかやったり、今出展費なくて困ったりしてないわよね。
そうかもしれません。
でも電子版もあったよね。デジタル版。
鉄研でいず!forトークメーカー デジタル版  米田淳一 
http://amzn.asia/f6d95Aq
そうです。それが……。
問題あったの?
PDFをKindleで読めるようにEPUBに変換したのですが、そのためにはPDFを仮想プリンタで一旦画像に変換してそれをEPUB形式にする必要があるんです。

EPUB形式は実はhtmlを定められたフォーマットにまとめて圧縮して一ファイルにしたようなファイル形式なのですから。

ちょっとまって! まさか、そうなると、あれだけ文章あったのに!
そうです。文章に書いたのに、1ページ1枚の画像扱い。

結果、写真集と同じような形式になってしまったのです。

それじゃ、いろいろと困るよね……。
ページが固定されてしまうので、画面の小さな端末では文字が非常に見えにくくなってしまいますわ。

EPUBには固定ページのものとリフローのものがあります。

リフローなら画面のサイズに合わせて字組して、文字が小さくなりにくくしてくれるのですが、それは作れなかったのです。

もとがPDFだもんね……。
その分いろいろ写真を増やしたりと工夫したのですが……。

コンテンツを増やしても、Kindleでは写真と文字のコンテンツでは、Kindle読み放題プラン(Kindleアンリミテッド)での収益率では圧倒的に写真が不利なのです。

詩音ちゃんさらりといやらしいこと言うなー。でもその収益で私たち活動がんばってるんだものね。

いやらしいとばかりは言ってられないわね。

というわけで、最低限、すでに投稿してしまったトークメーカー作品をテキストデータに変換し直す必要があるのです。

できれば他にもいろいろなものをそれに添付したい。

キャラクターのアイコン画像データや添付した画像データ、

そして吹き出しか地の文かの属性なども添付したいです。

そんなことできるの?
それが、トークメーカーをただコピペするのではほぼ不可能です。

しかもトークメーカーのhtmlソースからそれを生成するのもかなり難しいです。

コピペしてもhtmlソースコピーしても、めちゃめちゃ意味の分からないタグがどっさりあって、これじゃ手作業でそのタグ除去するのはすごく大変!
そこで「自動化」するのですわ。その除去作業を。
え、まさか、プログラムを組むの? そんなの私たちには無理よ!

鉄研で展示に必要ないろんなプログラム書いてるカオルちゃんだったらまだしも。

総裁も展示のPIC用にC言語書いてるけど大変そうだし。

私はさらに文系だもの。国語はできてもプログラミングは無理よ!

そうですわね。

でも、やるしかないのです。

できるかどうかが問題ではないのです。

やってできるようになるしかないのです。

……詩音ちゃんすごく怖い……。でもそうだよね、私たちにそんな甘いこと言ってる余裕ないわよね。
しかし私もくじけました。

……神楽坂らせんさんの作ったプログラムを使うまでは。

え、らせんさん?!

あの「もしも敬虔な女子高生が〈神は死んだ〉のニーチェ作『ツァラトゥストラ』を読んだなら」の著者さん!?

もしも敬虔な女子高生が〈神は死んだ〉のニーチェ作『ツァラトゥストラ』を読んだなら|トークメーカー https://talkmaker.com/works/e39da839e2d4cf3d1706b528d846e7ba.html
そうですわ。らせんさんはプログラミングもできる方ですわ。豊富な読書量とその跳ねるようなステキな文体も魅力ですが。
そうだよね……。らせんさんがんばってるもんね。
ともかく、らせんさんもそれについての連載を始めているプログラムなのですが。

さっそくわたくしも使ってみましたわ。

もしも経験のない女子高生がトーク作品をEpub化して電子書籍にしてしまったら|トークメーカー 

https://talkmaker.com/works/37f020a91fa6c9ea8c38ed71c24bf237.html

ちゃんと順序追ってやってるんだねー。らせんさん仕事が丁寧だなー。
そういうところはうちの著者は見習うべきですわ。
ほんとだよね!!
で、こうなったのですわ。
ええっ、これ、私たちの!?
そうです。私たちの『鉄研でいずトークメーカー』のデータをらせんさんのプログラムでEPUBに変換して、iPadで読むとこうなるのです。
すごい!! 吹き出しとかはまだないけど、ちゃんとアイコンの右とか左とかも反映されてるし、なによりもちゃんとリフローのEPUBになってる!!

これならいけそう!!

そうです。これだけでらせんさんのプログラムの優秀さは素晴らしいと思いますわ。
ほとんど手作業しなくて良いってのはありがたいねー。
しかもらせんさんはこのプログラムをわたくしに教えてくれたのです。
すごーい! らせんさんすごくいいひとだー!
そこでわたくしも一念発起、pythonというプログラム言語を勉強しよう、と思ったのですが、そんなこと簡単にできるわけがないのです。

というわけで。

え、まさか。
らせんさんのプログラムを「勝手に」手元で書き換えてしまったのです。
詩音ちゃん、さらりと酷いことするなあ……。前から手段選ばないとこあるなと思ってたけど。
そしていろいろ慣れないpythonをいじりました。

正直、わからないところだらけでした。

ウェブで検索してもわからず、ひたすら実験につぐ実験でした。

そしてこうなりました。

おおー。吹き出しにはなってないけど、吹き出し部分はちゃんと枠に囲ってある。
ここまでするのが大変でした……。らせんさんのプログラムは優秀だったのです。

でもそこから吹き出しの部分に枠を自動で付けるだけで大変でした。

でもアイコンやたら小さすぎない?
正直、縮小しすぎました……。でもこれまでで1.5日徹夜してしまいました……。
詩音ちゃん身体弱いのにそんながんばっちゃって。無理しちゃダメだよー。
でも少しでもがんばらないと……。総裁と夏の出展のためには……。
詩音ちゃん……! うん、がんばったから少し休んで。
御波は思った。


そこまでして夏の出展にがんばる総裁。

そしてそれを支援しようとする詩音のがんばり。


どうしてそこまでしてしまうんだろう?

そこまでして夏の出展をする理由は?


いくらテツ道でも、これはやりすぎでは?


でも、そうする理由は、なんだろう。

詩音ちゃん、なぜそこまで……。
わたくしには、総裁とテツ道のために、そうする強い理由があるのです。
わかったわ、詩音ちゃん。

私もpythonと電子書籍がんばる。

そして、総裁とみんなで夏の出展目指す!

夏の展示は8月中旬。


そこまでの大冒険が、ここでも始まったのだった。

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登場人物紹介

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。

その驚異の類推能力でどこまでできるのか?

武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

実は電子書籍や書籍にも詳しい。


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